最近の体重計には「体脂肪計」が付いているタイプが増えています。このときの体脂肪とは「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の合計値です。「皮下脂肪」とは、お腹の皮膚の下にあってつかむことができる脂肪。一方の「内臓脂肪」は腹部の内臓の周りにあるものです。なお、一部の最新機種については「内臓脂肪レベル」「内臓脂肪率」の測定ができるものもあります。
体脂肪計のみの場合、それぞれの脂肪がどれくらいの割合かはCT検査などを受けなければわかりません。とはいえ、簡単に内臓脂肪レベルの目安を知る方法はあります。腹筋に力を入れたときに手でつかめるお肉が「皮下脂肪」なので、つかめるお肉が少ないのに体脂肪率が高いなら、内臓脂肪レベルが高めだ…と推測できるのです。
よくいわれるたとえが「内臓脂肪は普通預金で皮下脂肪は定期預金」というもの。じつは「内臓脂肪」は、運動すれば減って食べ過ぎたら増えるという、変動しやすい性質を持っています。一方の「皮下脂肪」は、いったん溜まってしまうとなかなか減らすことができません。
内臓脂肪レベルは簡単に落とせる
そして、ウエストのシェイプアップで最初に取り組まなければならないのが「内臓脂肪」です。とはいえ、定期預金ではなく「普通預金」ですから、その気になれば比較的簡単に落とすことができます。
空腹時は「内臓脂肪」がエネルギーとして使われるタイミングです。できるだけ空腹を我慢してから食事するようにすれば、内臓脂肪レベルが徐々に減っていきます。また、お米やパンなどの炭水化物を減らすのも、内臓脂肪の手っ取り早い落とし方です。
内臓脂肪レベルを落とすことができたら、次は「皮下脂肪」の落とし方を実践します。これには「筋トレ」と「有酸素運度」の組み合わせが効果的です。脂肪の種類と特徴を理解しながら、効率的にダイエットしていきましょう。
いわゆる「脂肪」には大きく「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があります。そして、お腹周りがゆるんでしまう理由の1つが「内臓脂肪」です。最新の体重計などでは「内臓脂肪レベル」を測定できるものも登場しています。はたして、この内臓脂肪レベルの落とし方とはどのようなものなのでしょう?
内臓脂肪レベルを落とす方法
消費エネルギーよりも摂取エネルギーのほうが多いと内臓脂肪レベルは上がります。逆に、消費エネルギーよりも摂取エネルギーのほうが少ないと内臓脂肪レベルは落とせるものです。
この消費エネルギーの70%を占めるのが基礎代謝。その基礎代謝の30%が筋肉によって行われています。単純計算すれば、消費エネルギーの約20%が筋肉ということです。
基礎代謝は加齢とともに減るものですが、筋肉を増やす筋トレを行えば基礎代謝を高められます。つまり内臓脂肪レベルを落とす方法とは、筋肉量を増やすことなのです。
基礎代謝を上げる内臓脂肪の落とし方
基礎代謝を上げる内臓脂肪レベルの落とし方として、筋肉を増やすこと以外に重要ものがあります。それは朝食をきちんと食べることです。体が目覚めるので基礎代謝が上がります。
一方で、基礎代謝を下げてしまって内臓脂肪レベルを上げてしまう可能性があるのが、過度の食事制限。食事量が極端に制限されると体が飢餓状態と勝手に判断して、エネルギーの消費を抑えてしまうからです。
基礎代謝が下がると消費エネルギーが少なくなるので、食事量を減らしても結果として内臓脂肪レベルが上がってしまいます。極端な食事制限は、内臓脂肪レベルを上げてしまうことになるのです。
有酸素運動による内臓脂肪の落とし方
内臓脂肪の落とし方としては、ウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。じつは、ウォーキングで使われる筋肉は、筋トレなどの瞬発的な動きをする筋肉とは種類が違います。
そして、瞬発的な動きの筋肉のエネルギーがグリコーゲンという筋肉内にある糖分です。それに対して、ゆっくり動き続ける筋肉は肺から取り入れた酸素で脂肪を燃やしてエネルギー源にしています。
すなわち、有酸素運動をすればするほど脂肪が燃やされるということ。これが内臓の落とし方として、有酸素運動が効果的な理由です。
内臓脂肪レベルが測定できる体重計
ちなみに、内臓脂肪レベルが測定できるオムロンの体重体組成計では、その内臓脂肪の面積の大小を自社のデータに基づいてレベル化したもの。独自の推定式により算出したものです。「標準」が「1~9」、「やや高い」が「10~14」、「高い」が「15~30」という表示になります。
なお、内臓脂肪の割合を正確に知るには、病院での腹部CT検査が必要です。へその位置での内臓脂肪の面積が100平方cm以上ある場合を「内臓脂肪型肥満」としています。
つまり、オムロンの「内臓脂肪レベル」は「内臓脂肪型肥満の可能性」を表すもの。内臓脂肪レベルが「高い」と表示されたら、それは内臓脂肪型肥満の可能性が高い…ということを意味しているのです。
内臓脂肪レベルを効率的な落とし方
それでは、内臓脂肪レベルを効率的な落とし方を紹介しましょう。もちろん運動したほうが効果は現れますが、ふだんから運動はなかなかできません。しかし、歩くことは日常茶飯事。そこで歩くことを運動に変えてしまいましょう。
歩くことを運動にするには「足を高く上げて歩く」か「早足で歩く」かの2つです。いずれにしても、少し汗をかく程度に30分ほど続けることが大切。これを1日1回行えば内臓脂肪レベルは確実に落とせます。
なるべく砂浜や砂利道など不安定なところを歩くことも大切です。自然に体がバランスをとろうとするので、ふだん使われていないインナーマッスルも鍛えられます。より効果的に内臓脂肪レベルを減らすことができるでしょう。
内臓脂肪レベルを落とす筋肉とは?
そして、内臓脂肪レベルを落とすのに最適な筋肉がインナーマッスル腹筋。というのも、脂肪を燃焼させる効果の高い遅筋が多く含まれているインナーマッスル腹筋は脂肪燃焼には効果的なのです。
インナーマッスル腹筋を鍛えて姿勢がよくなれば、通勤や通学で歩くだけも脂肪燃焼効果がアップ。そこに「足を高く上げて歩く」「早足で歩く」を加えれば、内臓脂肪レベルはますます落ちていくでしょう。
内臓脂肪レベルは、いわば腹筋の内側でおきていること。このためアウターマッスルではなく、インナーマッスル腹筋が重要な役目を果たします。お腹ぽっこりの原因である内臓下垂も改善されてくるので、鍛えれば鍛えるほど内臓脂肪レベルは落ちやすくなっていくのです。
内臓脂肪レベルを落とす理由とは
内臓脂肪レベルを落とす理由は、血管が硬くもろくなる動脈硬化を抑えることにあります。内臓脂肪レベルが増加すると、体内の生理活性物質が増加。血圧の上昇、血液中の中性脂肪の増加、善玉コレステロールの減少を引き起こします。
これらはいずれも、動脈硬化を促進するか、動脈硬化の進行によって悪化するものばかり。そして、動脈硬化は狭心症や心筋梗塞などの心臓病や、脳梗塞や脳出血などの脳卒中を引き起こす直接の原因なのです。
このように内臓脂肪レベルは、こうした悪循環の根源に位置しています。だからこそ、内臓脂肪レベルを落とすことは動脈硬化の進行を抑制。ひいては命にかかわる生活習慣病にかかるリスクを、大きく下げてくれるのです。
適度な内臓脂肪レベルは健康に好影響
なお、適度な内臓脂肪レベルは健康に好影響を及ぼします。じつは内臓脂肪は、アディポネクチンというタンパク質を分泌。インスリンの働きを増強するだけでなく、血管を広げて血圧を下げる役割も果たします。脂質の分解を促して動脈硬化を防ぐ効果もあるのです。
ところが、内臓脂肪レベルが高くなると、アディポネクチンを作る能力が低下。さらに肥大した脂肪細胞は「TNF-α」という物質を産出します。TNF-αはインスリンの効きを悪くするのです。
このため、内臓脂肪レベルが高くなって体内にTNF-αが増えると、インスリンの働きが悪くなるため高血糖を招いてやがて糖尿病になりかねません。このように内臓脂肪レベルは適度に落としておかないと、健康に悪影響を及ぼすのです。
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