「食」は人の健康を維持するために重要な役割を担っています、その健康を維持する食品で健康被害を発生させてはいけません。「食」の安全性に対する不安を持つことなく、安心した食生活を送る環境整備が常に求められています。
食品の製造・販売などを行る商品等事業者が守らなければならない約束事はいくつかあります。
その代表的なものが「食品安全基本法」「食品衛生法」をはじめとする関係法令、各地方公共団体が定めている食品関連条例です。
表1
食品に関する法の種類
◆国家法◆ 制定の区分 該当する法等
憲法・法律 国会 食品安全基本法・食品衛生法・食品表示法
政令 内閣 食品衛生法施行令
規則
●内閣令 内閣総理大臣 食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する
内閣府令
食品衛生法第19条第1項の規定に基づく乳及び乳製品並びに
これらを主原料とする食品の表示の基準に対する内閣府令
食品表示基準
●省令 各省大臣 食品衛生法施工規則
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令他
●告示 各省大臣 食品、添加物等の企画基準他
◆自治法◆ 制定の区分 該当する条例等
条例 地方公共団体 食品衛生法施工条例(管理運営の基準、営業施設の基準)
の議会 食品の衛生に関する条例
規則 地方公共団体 食品衛生法施工細則
の長 食品衛生に関する条例施工規則
1.「法」の基礎知識
食の安全性に関して定める食品安全基本法m食品衛生法
(1)食品安全基本法とは
食生活が豊かになる一方で職を取り巻く環境は大きく変化し、人々の食に関する関心が高まる中、平成15年5月に食品安全基本法は施工されました。この法律は「国民の健康の保護が最も重要」ということを基本的認識とし、それを行うための関係者の責務と役割が決められています。
➡1 目的(第1条)
科学技術の発展、国際化の進展その他国民の食生活を取り巻く環境の変化に的確に対応することの緊要性をかんがみm食品の安全性の確保に関し、基本理念を定めています。
国、地方公共団体及び食品関連事業者の責務ならびに消費者の役割を明らかにするとともに、施策の策定に係る基本的な方針を定めることにより食品の安全性の確保に関する施策を総合的に促進することを目的とする法律です。
➡2 基本理念(第3、4、5条)
国民の健康の保護が最重要であるという基本認識の下に食品供給行程の各段階で食品の安全性を確保するため、国際的動向および国民の意見に十分配慮しつつ科学的知見に基づき、国民の健康への悪影響を未然に防止されるように、必要な措置が適切に講じられなければならないことを規定しています。
➡3 国・地方公共団体の責務(第6、7条)
国及び地方公共団体は食品の安全性確保に関する施策を策定、実施する責務を有することを規定しています。
➡4 食品関連事業者の責務(第8条)
食品関連事業者は、自らが安全施確保に第一義的責任を有していることを認識し、食品供給行程の各段階において必要かつ適切な措置を講じる責務を有すること、正確かつ適切な情報提供に努めなければならないこと、また、国や地方公共団体が実施する施策に協力する責務を有することを規定しています。
➡5 消費者の役割(第9条)
消費者は、食品の安全性確保に関する知識と理解を深めるとともに、施策に対し意見を述べるように努めることによって食品の安全性確保に積極的な役割を果たす等を規定しています。
➡6 施策の策定に係る基本的方針(第11、12、13条)
食品の安全性確保に関する施策の策定に当たっては、食品健康影響評価(リスク評価)を実施しmその結果にもとづいて施策を策定(リスク管理)をすることを規定しています。
また施策の策定の際には、情報の提供、意見を述べる機会の付与、その他の関係者相互間の情報および意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進などを規定しています。
➡7 食品安全委員会の設置(第22条)とその役割(第23条)
厚生労働省および農林水産省から独立した機関として、内閣府に食品安全委員会が設置されています。その役割として、
・リスク評価を実施
・その結果にもとづき、講ずべき施策を関係大臣に勧告
・施策の実施状況を監視し、関係各大臣に勧告
・関係者相互間の情報および意見交換を企画、実施することなどを規定しています。
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